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#166

家の防犯対策は窓から|侵入手口の8割は「無締り」と「ガラス破り」。数字で見る効く順番

闇バイトの強盗事件が報じられるたびに、うちは大丈夫だろうかと不安になります。ただ、実際の数字を並べると、報道から受ける印象とはかなり違う絵が見えてきます。

先に結論を書きます。住宅を狙う侵入は、この10年で3分の1以下に減っています。それでも対策をする意味があるのは、減っても手口の順番がまったく変わっていないからです。

この記事では、警察庁が公表している統計をこちらで数え直して、何から手をつけると効くのかを順番に並べます。あわせて、尾張西部の5つの市で防犯の補助金がどうなっているかを、全部調べた結果も載せました。

この記事でわかること

  • 闇バイト強盗の報道と、住宅侵入の実数のずれ
  • 侵入手口の8割を占める2つと、その割合
  • お金をかけずに今日できる対策
  • 「5分」が防犯の分かれ目になる理由
  • 内窓と防犯カメラが、それぞれ何に効くのか
  • 尾張西部5市の補助金の実態(個人が使えるのは1市だけ)

闇バイトの報道は事実。ただし住宅への侵入は減っている

SNSで実行犯を募集する手口の強盗は、実際に起きています。警察庁も、こうした事件が関東を中心に相次いで発生したと明記しています。令和6年10月には、応募してしまった人やその家族を保護すると呼びかける動画を公開し、年末までに全国で181件の保護措置を行いました。

ただ、件数を見ると印象が変わります。令和6年の強盗の認知件数は1,370件。前年は1,361件でしたから、増えてはいるものの9件です。しかも増加の主な要因は路上強盗だと警察庁は書いています。

家に関わる数字はどうか。侵入強盗・侵入盗・住居侵入を合わせた侵入犯罪は5万3,568件で、前年より3.1%減りました。この3つは、どれも前年より減っています。

もう少し長い目で見ると、減り方がはっきりします。住宅で起きた空き巣の認知件数は、平成27年の31,374件から令和6年は10,968件へ。10年で3分の1以下です。

住宅で起きた空き巣の認知件数が平成27年の31,374件から令和6年の10,968件へ10年で3分の1以下に減ったことを示す棒グラフ
警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」より当社作成

つまり「闇バイトのせいで空き巣が急増している」という話は、数字の上では成り立ちません。不安の正体は件数ではなく、誰が来るか読めなくなったことのほうだと思います。

減っても、入り方は変わっていない

対策を考えるうえで大事なのは、件数より「どこから、どうやって入られたか」です。警察庁の統計資料から、住宅で起きた空き巣・忍込み・居空きを合わせて数えると、令和6年は15,865件でした。

その入り方の内訳が、次のとおりです。

入り方 件数 割合
無締り(鍵をかけていない) 7,455件 47.0%
ガラス破り 5,006件 31.6%
施錠開け(合かぎ・ピッキング等) 1,265件 8.0%
ドア錠破り・戸外し・その他 889件 5.6%
不明 1,250件 7.9%

警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」の侵入手段別認知件数(住宅を発生場所とする空き巣・忍込み・居空き)を当社で合算・算出。

無締りとガラス破りで、8割近くを占めます。ピッキングのような専門的な手口は、思われているより多くありません。

これは10年前も同じ順番でした。減ったのは件数であって、入り方の傾向ではありません。だから、やるべきことも10年前と変わっていないことになります。

まず、鍵をかける。ここで半分が消える

いちばん多い入り方は、鍵のかかっていない場所から普通に入る、というものです。47.0%。設備を足す前に、まずここです。

見落とされやすいのは、玄関ではなく窓のほうです。浴室やトイレの小窓、二階のベランダ、勝手口。夏場に少し開けたまま出かけた、という形が多くあります。二階だから大丈夫と考えがちですが、雨どいやカーポートの屋根を伝えば上がれます。

お金はかかりません。それでいて、統計上いちばん大きい入口をふさげます。順番として、これを先にやらない理由がありません。

筆者のひとこと

窓のリフォームでお伺いすると、浴室の小窓が開いたままのお宅にときどき出会います。換気のために年中開けている、という使い方です。防犯の話をしに行ったわけではないので強くは申し上げませんが、「ここ、道から見えますね」とだけお伝えするようにしています。

次に効くのが窓。分かれ目は「5分」

鍵をかけたうえで残るのが、ガラス破りの31.6%です。ここから先は、設備の話になります。

防犯の世界には、よく知られた数字があります。侵入に5分かかると、約7割が諦める。この考え方をもとに、警察庁と民間の団体が合同で「防犯建物部品」という制度をつくりました。5分間の攻撃に耐えられると認められた部品に、CPマークが付きます。

逆に言えば、窓は壊されないことを目指すものではありません。時間を稼ぐための設備です。音が出る時間が長いほど、人目に触れる時間も長くなります。

内窓を入れると、窓が二重になる

既存の窓の内側にもう一枚の窓を付けるのが、内窓(インプラス)です。断熱のために入れる方が多いのですが、防犯の面でも意味があります。

LIXILの公式サイトも、内窓を取り付けると鍵が2つになり、窓が二重の住宅は侵入までに時間がかかるため、諦めさせる心理効果が期待できると説明しています。ガラスを破る作業と鍵を開ける作業が、単純に倍になるということです。

作業服の職人が刷毛で窓枠の下地を清掃している内窓設置工事の様子。右下に内窓の梱包材
当社の内窓工事より。窓枠を整えてから取り付けます

さらにガラスの種類を選べます。2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟んだ合わせガラスは、耐貫通性に優れ、こじ破りや打ち破りに有効だとLIXILは説明しています。当社では、この防犯合わせガラス仕様もお選びいただけます。

断熱のついでに防犯も、という考え方ができるのが内窓の良いところです。冬の寒さや結露が気になっている窓と、防犯が気になる窓は、たいてい同じ場所にあります。窓の断熱については別の記事にまとめました。

内窓を入れると鍵が2つ・ガラスが2枚になり、侵入にかかる時間が延びることを示した図解
図解:リンクスホーム株式会社。壊れない窓ではなく、時間のかかる窓にするという考え方です

どの窓から手をつけるか迷っている方へ

気になる窓の写真を送っていただければ、内窓が入る窓かどうか、防犯ガラスにする価値があるかをお伝えします。全部の窓をやる必要はありません。

LINEで相談と一言送る >

写真1枚でも大丈夫・返信は営業時間内/営業の連絡はしません/まだ友だちでない方は追加から(無料・約1分)

防犯カメラは「録る」より「見えている」ことが効く

カメラの一番の仕事は、犯人を捕まえることではなく、選ばれないことです。下見の段階で「この家は面倒だ」と思わせられれば、そこで終わります。

ですので、隠して付けるより、目に入る場所に付けるほうが目的に合います。玄関、駐車場、そして人目につきにくい家の裏側。この3か所が基本になります。

選ぶときに見ていただきたいのは、画質より夜に映るかどうかです。侵入は暗い時間に起きます。あとは、録画したものをどこに残すか。本体のカードに残す方式は、本体ごと持ち去られると何も残りません。

当社では、機種の選定から取り付け、配線までを自社で行っています。センサーライトと組み合わせると、暗がりが減って映りもよくなります。

尾張西部5市の補助金を、全部調べました

防犯の補助金は「地域によって出る」と言われますが、中身は市ごとにまったく違います。当社の対応エリアの5市を、それぞれの市の公式ページで確認しました。

個人で使えるか 内容
津島市 使える 防犯用具の購入費の2分の1・上限16,000円。補助錠、防犯サッシ、防犯フィルム、防犯センサー、録画機能付きインターホンなどが対象
あま市 ほぼ不可 個人向けは特殊詐欺対策機器のみ。防犯灯は町内会向け
稲沢市 ほぼ不可 個人向けは特殊詐欺対策装置のみ(65歳以上・在宅時間の条件あり)
愛西市 不可 防犯カメラの補助は自治会が対象
弥富市 不可 防犯カメラの補助は町内会・自治会が対象(上限50万円)

各市の公式ページより(2026年9月5日確認)。制度は年度で変わります。申請前に必ず各市の窓口でご確認ください。

個人の住宅の防犯に使えるのは、5市のうち津島市だけでした。他の4市は、カメラの補助はあっても町内会や自治会が対象で、個人の家には使えません。

津島市にお住まいの方へ、注意点を3つ。上限は16,000円なので、工事費の全体から見れば一部です。購入から3か月以内に申請する必要があります。そして対象品目に「防犯サッシ」とありますが、内窓がこれに当たるかは市の判断になります。買う前に窓口へ確認してください。

なお、窓の断熱リフォームに使える国の補助金は、防犯の補助金とは別の制度です。金額の桁も違います。混同して説明する業者がいるので、気をつけてください。窓リノベの補助金は別記事にまとめています。

不安につけこむ営業に気をつける

事件の報道が続くと、それを材料にした訪問営業が増えます。「近所で入られた家がある」「今なら補助金で無料になる」といった入り方です。

この記事のとおり、住宅の防犯に使える公的な補助は、この地域では上限16,000円が上限です。無料になる制度はありません。その場で契約を迫られたら、いったん帰ってもらってください。

手口と断り方は点検商法の記事にまとめてあります。防犯を売り文句にする業者にも、そのまま当てはまります。

私たちにできること

窓の内窓(インプラス)は、防犯合わせガラス仕様も含めてお選びいただけます。防犯カメラは、機種の選定から取り付けまで自社で行います。どちらも見積り・出張・キャンセルは無料です。

おすすめしないこともお伝えします。家じゅうの窓を一度にやる必要はありません。道から見えない窓、人が立てる足場のある窓、そこから優先すれば十分に効きます。

対応エリアはあま市・津島市・愛西市・稲沢市・弥富市・海部郡です。土日も伺えます。

作業着の社員が室内側から窓枠に手を添えて、建具の状態を確認している様子
当社の現地調査より。窓枠と建具の状態を見て、内窓が入るかどうかを確かめます

筆者のひとこと

防犯のご相談をいただくと、まず家のまわりを一周させていただきます。そこで話が終わることもあります。人通りが多く、隠れる場所がない家は、それだけでかなり守られているからです。何かを足す前に、いまの状態を見るところからだと考えています。

よくある質問

Q. 防犯フィルムを自分で貼るのでは足りませんか。

目的が時間を稼ぐことなので、貼らないよりは効きます。ただ、市販品を部分的に貼る方法では、鍵の周りだけ破られて手が入ることがあります。ガラス全面を覆う施工が前提と考えてください。津島市では防犯フィルムも補助の対象です。

Q. 内窓を入れれば、絶対に入られませんか。

絶対はありません。壊すのに時間がかかる窓になる、というのが正確な言い方です。防犯の設備は、破られないためではなく、諦めさせるために付けるものです。

Q. 二階の窓も対策したほうがいいですか。

足場になるものがあるかどうかで判断してください。カーポートの屋根、物置、雨どい、隣家との塀。これらが近くにある二階の窓は、一階と同じように考えたほうが安全です。

Q. カメラはダミーでも効果がありますか。

見せて諦めさせるという点では意味があります。ただ、実際に何かあったときに何も残らないことは知っておいてください。近年の機種は価格が下がっているので、本物を1台置くほうが結果的に安心だと考えています。

Q. 補助金の申請は代わりにやってもらえますか。

津島市の防犯用具の補助は、購入したご本人(または2親等以内のご家族)が申請する制度です。書類の書き方や領収書の整え方はお手伝いできますが、申請そのものは代行できません。

Q. どこから見てもらえばいいか分かりません。

家のまわりを一周して、道から見えない窓を探してみてください。そこが最初の候補です。判断に迷ったら、写真を送っていただければお答えします。

この記事の要点

  • 住宅の空き巣は10年で3分の1以下に減っている。強盗の増加分は主に路上
  • 入り方は無締り47.0%とガラス破り31.6%で8割弱。10年前と順番は同じ
  • 最優先は鍵をかけること。費用ゼロで最大の入口がふさげる
  • 窓は「壊れない」ではなく「5分かかる」を目指す。内窓は鍵2つ・ガラス2枚になる
  • 個人で使える防犯補助は、尾張西部5市では津島市だけ(上限16,000円)

まとめ

ニュースを見て不安になったなら、その日のうちにできることがあります。家じゅうの窓の鍵を確かめる。それだけで、統計上いちばん多い入り方をふさげます。

設備の話は、そのあとで構いません。全部を一度にやる必要もありません。道から見えない窓が1か所あるなら、そこから考える。防犯は、順番を間違えなければ、そんなにお金のかかる話ではないと思います。

気になる窓が1か所でもある方へ

窓の写真と、その窓が道から見えるかどうかを教えてください。内窓・防犯ガラス・カメラのどれが向くか、必要なければ不要ともお伝えします。

LINEで相談と一言送る >

写真1枚でも大丈夫・返信は営業時間内/営業の連絡はしません/まだ友だちでない方は追加から(無料・約1分)

見に来てほしい方へ

家のまわりを一周して、窓とカメラの置き場所をご提案します。対応エリアはあま市・津島市・愛西市・稲沢市・弥富市・海部郡です。

電話で相談 0120-094-143

通話無料(フリーダイヤル)/受付9:00〜19:00・火水を除く/ご相談・お見積りは無料です

【この記事で参照した資料】警察庁「令和6年の犯罪情勢」(強盗の認知件数1,370件・増加の主な要因は路上強盗、侵入犯罪5万3,568件で前年比3.1%減、侵入強盗・侵入盗・住居侵入のいずれも減少、SNS等で実行犯を募集する手口による強盗等が関東を中心に発生、令和6年12月末までに181件の保護措置/2026年9月5日確認)/警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」図表2-2-1-4 侵入手段別住宅を発生場所とする空き巣・忍込み・居空き認知件数(空き巣は平成27年31,374件・令和6年10,968件。令和6年の3手口合計15,865件のうち無締り7,455件・ガラス破り5,006件・施錠開け1,265件。合算と割合の算出は当社/同日確認)/全国防犯協会連合会ほか官民合同会議「防犯性能の高い建物部品(CPマーク)」(5分間の攻撃に耐える性能、侵入に5分かかると約7割が諦めるという調査/同日確認)/LIXIL「入る隙なし LIXILの窓ドアリフォーム 防犯編」(内窓で2ロックになる、窓が二重だと侵入に時間がかかる、安全合わせガラスは耐貫通性に優れこじ破り・打ち破りに有効/同日確認)/津島市「自主防犯対策促進事業補助金」(防犯用具は購入費の2分の1・上限16,000円、対象品目、購入から3か月以内に申請/同日確認)/あま市・稲沢市・愛西市・弥富市の各防犯補助制度のページ(同日確認)。補助制度は年度により変わります。申請前に各市の窓口でご確認ください。